専門医制度

規則

2002年8月22日制定

専門医制度規則

第1章 総則

第1条(専門医制度の設置)

一般社団法人日本呼吸器学会(以下本学会)は、呼吸器病学の進歩に即する呼吸器疾患専攻の優れた医師を養成し、以て医療の向上を図り、国民の福祉に貢献することを目的として、本学会専門医制度を設ける。

第2条(呼吸器専門医及び呼吸器指導医の設置)

一定レベル以上の実力をもち、信頼される呼吸器科医を「呼吸器専門医」として認定し、さらに高い水準の呼吸器病学の診療能力と指導力を備えた呼吸器専門医を「呼吸器指導医」として認定する。

第3条(専門医及び指導医の医師像)

呼吸器専門医は、医師として幅広い知識と技能を身につけた日本内科学会認定内科医資格をはじめとする日本専門医制評価・認定機構が定める基本領域学会の専門医等(以下、基本領域学会の専門医等)を有するもののなかで、呼吸器の機能形態学、病理生理学、分子生物学、薬理学、遺伝学、疫学、症候学、診断学、治療学に関する豊富な知識を有し、重要な専門的検査技術を取得し、広い範囲の呼吸器疾患の知識と理解、及び重要呼吸器疾患の臨床経験を有することに加えて、高邁な医療倫理感を有することを要す。

  1. 呼吸器指導医は、さらに呼吸器専門医の水準を高め、他診療科医や呼吸器専門医からの相談にも応じて適切な呼吸器診療を指示しうるなどの臨床能力を有し、呼吸器専門医を目指す医師に対する十分な指導教育能力を有することを要す。
  2. 呼吸器専門医及び呼吸器指導医を養成するために、日本呼吸器学会では、日本呼吸器学会の専門医制度研修カリキュラムを終了し、本学会が行う専門医試験に合格することなどの条件を満たした医師に対して、厳正な審査によって呼吸器専門医及び呼吸器指導医の認定証を授与する。

第4条(専門医制度審議会の設置)

本制度の運営のために専門医制度審議会(以下審議会)を置き、専門医、指導医、及び認定施設を審議し、かつ認定するための諸制度を定める。審議会の中に次の委員会をおく。

  1. 資格審査委員会
  2. 施設審査委員会
  3. 試験委員会
  4. 専門医制度見直し委員会

第2章 審議会

第5条(審議会長の選任)

理事会は審議会長を選任し、理事長が委嘱する。

第6条(審議会の構成)

審議会の構成は別に定める。

第7条(審議委員の選出)

審議会委員は別に定めるところに従って選出し、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

第8条(審議会長の責務)

審議会長は、審議会を管掌し、本制度の円滑な運営を図る。
審議会長は、審議会を招集する。但し、委員の3分の1以上から会議の目的とする事項を示して請求があったときは、直ちに臨時審議会を招集しなければならない。

第9条(審議会の開催)

審議会は、委員の過半数が出席しなければ、その議を開き議決することができない。

第10条(議事の決定)

審議会の議事は、出席者過半数の同意をもって決し、また可否同数のときは審議会長が決するものとする。

第3章 資格審査委員会

第11条(資格審査委員長の選任)

理事会は資格審査委員長を選任し、理事長が委嘱する。

第12条(資格審査委員の選出)

資格審査委員は、別に定めるところに従って選出し、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

第13条(資格審査委員会の業務)

資格審査委員長と資格審査委員は、資格審査委員会を組織し、専門医の受験資格および指導医資格審査業務、および資格更新審査業務を行う。

第4章 専門医の申請ならびに認定医証の交付

第14条(専門医認定申請の条件)

専門医の認定を申請する者は、次の各条件をすべて充足することを要する。

  1. 基本領域学会の専門医等の資格を取得した年度も含めて3年以上本学会の会員であること。
  2. この規則により認定された認定施設において、本学会所定の研修カリキュラムに従い基本領域学会の専門医等の資格を取得した年度も含めて3年以上、呼吸器病学の臨床研修を行い、これを終了した者。
  3. 関連施設における臨床研修期間の取扱いは、別途定める。
  4. 非喫煙者であること。
  5. 海外の呼吸器専門医を有し受験を希望する場合、
  • ①上記1.申請時において本学会の会員であること。会員歴は問わず。
  • ②上記2.3.は免除。
  • ③上記4.を満たすこと。
  • ④専門医資格証とその日本語訳、その他参考となるものを専門医制度資格審査委員会に提出し、認められれば受験資格を付与する。

第15条(認定申請の手続き)

専門医の認定を申請する者は、認定審査料を添付の上、次の各項に定める書類を審議会に提出しなければならない。

  1. 専門医認定申請書
  2. 専門医認定申請書に記された主な業績を証明する文書
  3. 医師免許証(写)
  4. 基本領域学会の専門医等の認定証(写)

第16条(専門医証の交付)

理事長は、資格審査委員会において専門医として推薦された者に対し、審議会及び理事会の議を経て専門医証を交付する。専門医は5年毎に更新の手続きをとらなければならない。更新の規定は別に定める。

第5章 専門医の資格の喪失

第17条(専門医資格喪失の要件)

専門医は次の理由によりその資格を喪失する。

  1. 正当な理由を付して専門医としての資格を辞退したとき。
  2. 本学会の会員としての資格を喪失したとき。
  3. 申請書類に虚偽が認められたとき。
  4. 専門医の更新を受けないとき。
  5. 基本領域学会の専門医等の資格を喪失したとき。
  6. ただし、基本領域学会が内科以外の者で、第4項及び第5項の理由により呼吸器専門医資格を喪失した者については資格復活の要件を別途定める。

第18条(専門医資格取り消し)

専門医としてふさわしくない行為のあった者に対しては、審議会及び理事会の議決によって専門医の認定を取り消すことができる。

第6章 施設審査委員会

第19条(施設審査委員長の選任)

理事会は施設審査委員長を選任し、理事長が委嘱する。

第20条(施設審査委員の選出)

施設審査委員は、別に定めるところに従って選出し、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

第21条(施設審査委員会の業務)

施設審査委員長と施設審査委員は、施設審査委員会を組織し、認定施設の資格審査業務および資格更新審査業務を行う。

第7章 認定施設の申請ならびにその指定

第22条(認定施設と関連施設の設置)

質の高い呼吸器専門医を養成するために、日本呼吸器学会専門医制度認定施設(以下、認定施設と呼ぶ)及び日本呼吸器学会専門医制度関連施設等(以下、関連施設等と呼ぶ)を設置する。

第23条(認定施設の条件)

認定施設の認定を申請する診療施設は、次の各条件をすべて充足することを要する。

  1. 呼吸器系病床として20床以上有すること。
  2. 指導医1名が常勤し、指導責任者の下に十分な指導体制がとられていること。
  3. 研修カリキュラムに基づく研修が可能であること。
  4. 剖検室を有すること。または、地域の剖検システム等に参入しかつ剖検実績を有すること。

第24条(関連施設等の条件)

認定施設の他に、関連施設、特定地域関連施設を置く。

  1. 関連施設、及び特定地域関連施設の条件は別途定める。

第25条(施設認定申請書の提出)

施設の認定を申請する診療施設の長は、施設認定申請書を審議会に提出しなければならない。

第26条(認定施設認定証及び関連施設認定証の交付)

理事長は、施設審査委員会において推薦された診療施設に対して、審議会及び理事会の議を経て認定施設認定証または関連施設認定証を交付する。

  1. 認定施設及び関連施設は5年毎に更新の手続きをとらなければならない。
  2. 更新の規定は別に定める。

第8章 認定施設及び関連施設の資格喪失

第27条(認定施設及び関連施設資格喪失の要件)

認定施設及び関連施設は次の理由あるときは施設審査委員会の議を経てその資格を喪失する。

  1. 第23条または第24条に該当しなくなったとき。
  2. 正当な理由を付して認定施設及び関連施設を辞退したとき。
  3. 認定施設及び関連施設の更新を受けないとき。

第28条(施設認定の取り消し)

認定施設または関連施設として不適当と認められたものに対しては、審議会及び理事会の議決によって認定施設の認定を取り消すことができる。

  1. 認定施設または関連施設を辞退、または認定を取り消された施設は施設認定証を学会に返納しなければならない。

第29条(施設認定の変更)

関連施設が第23条に該当するようになった場合には、認定施設の申請をすることができる。

  1. 認定施設が第23条に該当しなくなったが第24条には該当する場合には、速やかに関連施設への変更手続をしなくてはならない。

第9章 指導医認定の申請と認定証交付

第30条(指導医の認定の条件)

本学会は、専門医を育成するために呼吸器疾患診療に関する十分な学識と経験を有する者を指導医として認定する。
指導医は、次の3条件を充足する者の中から、その申請に基づき、審議会及び理事会の議を経てこれを認定する。

  1. 本学会の専門医であること。
  2. 専門医の資格を取得した後5年以上認定施設に勤務し、呼吸器疾患診療に従事していること。関連施設等における診療従事期間については、これに0.75を乗じたものとする。
  3. 申請時において、本学会会員として8年以上呼吸器病学に関する研究活動を行っていること。

第31条(指導医認定の手続)

指導医認定を申請する者は、次の各項に定める書類を審議会に提出しなければならない。

  1. 指導医認定申請書
  2. 指導医認定申請書に記された主な業績を証明する文書
  3. 履歴書

第32条(指導医認定証の交付)

理事長は、資格審査委員会において指導医として推薦された者に対し、審議会及び理事会の議を経て指導医認定証を交付する。
指導医は5年毎に更新の手続きをとらなければならない、更新の規定は別に定める。

第10章 指導医の資格の喪失

第33条(指導医資格喪失の要件)

指導医は、次の理由により審議会の議を経てその資格を喪失する。

  1. 正当な理由を付して指導医の資格を辞退したとき。
  2. 専門医としての資格を喪失したとき。
  3. 指導医の更新を受けないとき。

第34条(指導医資格の取り消し)

指導医としてふさわしくないと認められた者に対しては、審議会及び理事会の議決によって指導医の認定を取り消すことができる。

第11章 試験委員会

第35条(試験委員長の選任)

理事会は試験委員長を選任し、理事長が委嘱する。

第36条(試験委員の選出)

試験委員は、別に定めるところに従って選出し、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

第37条(試験委員会の業務)

試験委員長と試験委員は、試験委員会を組織し、専門医試験の実施業務を行う。

第12章 専門医制度見直し委員会

第38条(専門医制度見直し委員長の選任)

理事会は専門医制度見直し委員長を選任し、理事長が委嘱する。

第39条(専門医制度見直し委員の選出)

専門医制度見直し委員は、別に定めるところに従って選出し、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

第40条(専門医制度見直し委員会の業務)

専門医制度見直し委員長と専門医制度見直し委員は、専門医制度見直し委員会を組織し、専門医制度の見直し業務を行う。

第13章 規則の改廃

第41条(規則改廃の手続)

この規則の改廃は審議会の議を経て、理事会の承認を受けなければならない。

第42条(施行細則の制定)

この規則施行についての細則は別に定める。

附則
  1. この規則は、この法人設立時の総会の承認により文部科学大臣の設立許可のあった日から施行する。
  2. この規則の施行に関して、審議会及び理事会によって決定された事項は速やかに本学会機関誌に掲載し、会員に通告する。
  3. 平成15年6月14日一部改訂
  4. 平成18年5月31日一部改訂
  5. 第4章第14条については、平成19年4月1日より施行する
  6. 平成20年6月14日一部改訂
  7. 平成22年4月22日一部改訂
  8. 平成24年4月19日一部改訂
  9. 平成24年12月7日一部改訂
  10. 平成25年2月1日一部改訂
  11. 平成28年12月9日一部改訂