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Last Update:2007年12月6日

アスベスト健康被害に関するQ&A

Q:アスベストとは何ですか?
 石綿(せきめん、いしわた)と呼ばれる天然の鉱物繊維で、断熱性、耐火性、防音性、耐腐食性に優れており、建築用製材として多く用いられてきました。クリソタイル(白石綿)、クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)などがあります。現在は、使用が禁止されています。

クリソタイル
http://station05.qc.ca/csrs/Caverne/f_000090.html

クリソタイル

Q:なぜ健康被害をおこすのですか?
 粉塵として、気道から吸入された石綿が肺の末梢に吸い込まれ、胸膜と呼ばれる肺を覆う薄い膜に影響を与えたり、気管支に障害を起こします。それは、石綿粉塵が肺などに膠原線維という線維を作る性質(線維形成性)とがんを発生させる性質(発癌性)とを持っているからです(生体の中で出来る繊維は線維と書かれます)。

胸の横断面から見た胸膜(きょうまく)

Q:アスベスト関連の病気にはどんなものがありますか?
 アスベストは、石綿肺、胸膜中皮腫、肺がんとの関連が強いことが知られています。アスベストの粉塵を吸った肺では、胸膜が厚くなることがしばしば見られます。これは、胸膜肥厚斑(きょうまくひこうはん)または胸膜プラークと呼ばれ、良性で悪性腫瘍(がん)にはなりません。しかし、これとは別に、胸膜に悪性胸膜中皮腫という悪性腫瘍(がん)を起こすことが知られており、クロシドライト(青石綿)が一番危険といわれています。アスベストの粉塵をマスクや防護器具を用いずに扱う仕事に従事してから、30~40年後に発症するといわれています。また、アスベストは肺がんとの関連もあるといわれており、そのほとんどが喫煙者です。

Q:悪性胸膜中皮腫とはどんな病気ですか?
 胸膜にできる悪性腫瘍(がん)を悪性胸膜中皮腫といい、希な疾患で肺がんの1%以下の頻度といわれています。胸膜に沿って拡がり肺の外側を取り囲むように増殖することが多く、遠隔転移は肺がんに比べて少な目です。症状としては、胸の痛みや、背部痛が多く、時には呼吸困難感、咳、体重減少、発熱などを伴います。胸水が貯まることも多く、その量が多くなると呼吸困難を来します。

Q:悪性胸膜中皮腫の診断法は?
 胸部X線写真や胸部CT写真で肺の外側に沿って拡がる異常な影や多数のしこりとして見つかる場合が多いです。胸水が貯まっている場合も多く、体の外から針を刺して胸の水を抜き調べます。しかし、肺がんによって生じた胸水と区別することが難しいことも多く、特殊な針で体の外から胸膜をかじり取ったり、胸腔鏡という内視鏡を、胸の壁を通して刺し込み、目で見ながら病変を取って顕微鏡の検査を行うこともあります。悪性胸膜中皮腫は、病気の進行ぐあいによって4つの時期(病期)に分けられます。
 I期は、片側の胸腔内に留まるもの、II期は、胸の中のリンパ節に拡がったもの、 III期は、胸壁や、心臓、横隔膜などを巻き込んだもの。 IV期は、遠隔転移をしたものを表します。

悪性胸膜中皮腫のCT(コンピュータ断層)像(左)とPET(陽電子放射断層)像(右)。
35歳男性(北海道大学 別役智子先生提供

悪性胸膜中皮腫のCT(コンピュータ断層)像  悪性胸膜中皮腫のPET(陽電子放射断層)像

 CTでは、肺の外側に沿ってドーナッツ状に拡がる悪性胸膜中皮腫が映し出されています。PETは最近行われるようになった検査法で、「がん」細胞にブドウ糖が多く集積する性質を利用します。3方向の断面図で○印を中心に悪性胸膜中皮腫が黒く描き出されています。

Q:悪性胸膜中皮腫の治療法は?
 病期でI期のものは、手術切除が行われることもあり、肺と悪性胸膜中皮腫、胸膜などをまとめて取り除く胸膜肺全摘術を行うことがあります。多量の胸水が貯まって呼吸困難が強い場合、管を胸のなかに入れて胸水を外に出します。また、胸水の再度の貯留を抑えるために薬を入れて、胸膜と肺をくっつける胸膜癒着術を行います。II期以上の病期で、手術で病変を全部取ることが困難な場合には放射線療法や化学療法を行います。放射線治療や化学療法、場合によっては手術療法を組み合わせることもありますが、標準的な治療の組み合わせや、薬剤の選択は確立されておらず、多くは臨床研究の段階です。最近、ペミトレキセド(商品名:アリムタ、日本では未承認)が進行期の悪性胸膜中皮腫患者に延命効果があるとされており、米国では治療薬として使われています。

「アスベスト関連疾患日常診療ガイド」のご案内

厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/
アスベストセンター:http://www.asbestos-center.jp/
メルクマニュアル:http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec04/ch049/ch049d.html
国立がんセンター:http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/cancer/010206.html
米国国立がん研究所:http://www.nci.nih.gov/cancertopics/types/malignantmesothelioma/

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