トピックス・お知らせ

関連ページ

Last Update:2009年5月21日

H1N1関連緊急シンポジウムのビデオ・ストリーミングの公開(American Thoracic Society(ATS) 2009 International Conferenceより)

会員各位
 
 5月15日~20日、アメリカ、サンディエゴで行われました American Thoracic Society(ATS) 2009 International Conference におきまして、5月19日に"Late Breaking Session on Influenza A (H1N1)"が開かれました。そのビデオ・ストリーミングがATSの好意でATSのホームページに掲載されておりますのでご紹介いたします。また、ATSに参加されていた西村正治常務理事の現地報告も併せてお伝えいたします。
 
Late Breaking Session on Influenza A (H1N1)
 http://psavcms-sales.com/ats2009/h1n1.html 

あるいは以下より

ATS Influenza H1N1 materials from the Conference
 http://www.thoracic.org/sections/meetings-and-courses/international-conference/2009/swine-flu.html 


報告

常務理事 西村正治(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野,北海道大学病院第一内科)

2009年5月19日
 

こちらの現地時刻5月20日正午以降にATSホームページで今日の新型インフルエンザのシンポジウムを公開することにしたそうです。JRS理事長 貫和先生からのご依頼のメールがきっかけとなったもので、すばらしい提案であったと思います。

さて、そのインターネットで公開される内容を是非みていただければと存じますが、メキシコ、アメリカでのこれまでの成績、インフルエンザの変異に関する基礎知識、今年秋以降に予想される第2波、第3波の可能性、さらに、ICUにおける準備などの内容が盛り込まれています。

最近のNEJM, Scienceの論文を読んでいるとそれほど目新しいことはなかったのですが、興味深い仮説として喘息患者では重篤化する可能性が高く重篤化のリスクになるかもしれないという話がありました。米国における入院例や死亡例の検討から、また、ウイルスのゲノム解析からもウイルス毒性は季節型インフルエンザと同等であり、基本的に対応はそれに準じてよいという流れでした。ただし、スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪のときのように、秋以降に第2波、第3波がくる可能性は高く、毒性がどの季節型と同じ程度のものとしても感染者は劇的に増える可能性があるので、それを予測したICUを含むシステムの整備が急がれるという話でした。

将来的なウイルス変異の可能性は否定できないものの、現時点では季節型と同じ程度の毒性であるという認識から交通制限などを設けることには反対の立場でした。

亡くなった患者さんや入院患者の胸部レ線所見は、両側びまん性のすりガラス陰影が主体で、メキシコ人患者の剖検例に関して1枚だけスライドがでましたが、ARDS様でした。入院を必要とした患者で背景疾患Comorbiditiesがあるのは、たしかアメリカの成績で60%くらいだったようです。アメリカで亡くなった患者の内訳をみると22歳、33歳、39歳、49歳、33歳、55歳の6名です。そのほかにもARDSやmechanical ventilationをするにいたった症例もあります。

これまでに米国では82例のHealthcare Personnelが新型インフルに罹患しており、日本でも注意すべきことと思います。

なお、今日のUSA todayでは、一面に大阪のマスクをつけた日本人女性の写真が小さくそれだけ載っており、本文は4面です。イギリス、日本、中国などがWHOに働きかけてフェーズ6にあげないようにプレッシャーをかけているという内容が書かれています。また、65歳以上の入院が季節インフルと比べて少ない一方で、20歳以下の子供の入院率は季節型よりも高いようだと述べています。日本と比べて新聞の扱いがあまりにも小さいので逆の意味で驚きます。


ページの先頭へ