COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q53. 従来型と比較して、デルタ型の変異株において、潜伏期間、発症から重症化までの日数や、重症化率についての違いがあれば教えてください

変異株

回答

2021年7月29日、米国疾病予防管理センター(CDC)が新型コロナウイルスデルタ株(SARS-CoV-2 Delta variant)の特徴について報告し、その内容がワシントンポスト紙に掲載されました(1)。従来株と比較し、特筆すべき特徴は感染力の強さです。基本再生産数(Ro)はデルタ株で8であり、従来株の2に対して明らかに高く、水痘と同様、季節性のインフルエンザの4倍と報告されました。(1)
さらに、より重症化リスクが高いことも示唆されています(1)。カナダオンタリオでは、従来株と比較し入院は2.2倍,ICU管理は3.9倍,死亡は2.4倍増加すると報告されています(2)。スコットランドからも、アルファ株に比較してデルタ株では入院のリスクが約2倍高くなると報告されています(3)
 感染力の高さや重症化リスクが高い背景には、患者が排出するウイルス量が多いことも示唆されており、大手検査会社「ビー・エム・エル」のまとめでは、PCR検査のCt値からデルタ株では、従来型やアルファ株と比較して4倍以上ウイルス量が多いと報告しています(4)。また、デルタ株の潜伏期間は4日であり、従来型の6日に比較し2日短いことが報告されています(5)。さらにデルタ株では感染後長期間にわたりウイルスが排出され、症状発症からPCR検査によるCt>30までの期間が、従来株で13日に比較しデルタ株では18日と報告されています(6)

  1. The Washington Post:Internal CDC document on breakthrough infections 2021
    [https://www.washingtonpost.com/context/cdc-breakthrough-infections/94390e3a-5e45-44a5-ac40-2744e4e25f2e/?_=1]
  2. Fisman and Tuite., Progressive Increase in Virulence of Novel SARS-CoV-2 Variants in Ontario, Canada. medRxiv preprint doi:
    https://doi.org/10.1101/2021.07.05.21260050
  3. Aziz Sheikh et al., SARS-CoV-2 Delta VOC in Scotland: demographics, risk of hospital admission, and vaccine effectiveness, Lancet. 2021 Jun 26;397(10293):2461-2462.doi: 10.1016/S0140-6736(21)01358-1.
  4. NHK News web.
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210913/k10013257481000.html
  5. Baisheng Li et al., Viral infection and transmission in a large, well-traced outbreak caused by the SARS-CoV-2 Delta variant. medRxiv preprint doi:
    https://doi.org/10.1101/2021.07.07.21260122
  6. Sean Wei Xiang Ong et al., Clinical and virological features of SARS-CoV-2 variants of concern: a retrospective cohort study comparing B.1.1.7 (Alpha), B.1.315 (Beta), and B.1.617.2 (Delta). Clin Infect Dis. 2021 Aug 23;ciab721. doi: 10.1093/cid/ciab721.

(回答日:2021/10/11)

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