COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q67. 小児のSARS-CoV-2ワクチン接種について、今後どのような位置付けとなるでしょうか。小児も積極的に接種率を上昇させて、高齢者への集団免疫効果を期待する動きはあるでしょうか。

ワクチン

回答

日本小児科学会は、これまでの国内外のエビデンスの集積により、小児におけるCOVID-19の重症化予防に寄与することが確認されたことをふまえ、メリット(発症予防や重症化予防等)がデメリット(副反応等)を更に大きく上回ると判断し、健康な小児へのワクチン接種は「意義がある」という表現から、「推奨します」という表現に2022年8月10日変更しています。その理由として、①感染状況に関する知見として、omicron株の流行により小児間での感染、患者数の増加、基礎疾患を持つ小児での重症例、死亡例の増加、学級閉鎖など教育への影響、②ワクチン効果に関する知見として、5−11歳でも、オミクロン以降での入院予防効果(68%)、小児多系統炎症性症候群の約 90 %の発症予防効果も挙げられています。③ワクチンの安全性に関しては、現在では国内の安全性データが集積され、12~17歳における副反応の発生率は、若年成人と同等であり、5~11歳における副反応はより軽い傾向が確認されています。健常小児でもワクチン接種率が上昇することで、高齢者への感染予防効果が増すことは当然考えられますので、高齢者と同居している小児における接種は可能であれば望ましいと考えられます。しかしながら、まずは高齢者を含む成人自身のワクチン接種がもっとも重要であり、その次にワクチン接種のメリット(発症予防・重症化予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解した上で進めていく必要があると考えます。

(回答日:2022/9/14)