COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q58. COVID-19患者の後遺症について、とくに息切れや動悸を訴えるLong-COVIDを経験しますが、このような患者さんの病態と、意義ある保険適用検査についてご教示ください。

後遺症

回答

呼吸困難感はLong-COVIDの症状の中でも頻度が多い症状です。日本呼吸器学会が研究事務局となって行った「COVID-19後遺症の実態調査(中等症以上)」の中間報告において、退院後3か月目の時点で呼吸困難感を訴える患者は29.3%と筋力低下(50.4%)についで2番目に多い症状でした。呼吸困難感は重症度に依存しており、重症であればあるほど症状が残存しやすい傾向にありました。本研究や海外の過去の既報1)では、肺機能検査において%FVCと%DLCO(肺拡散能)が低下していますが、肺胞換気量で除した%DLCO/VAは保たれていることから、病態としては肺の炎症に伴う肺の障害(線維化)に加えて、肺胞の虚脱(Volume loss)も関与している可能性が考えられます。肺の線維化は非可逆的に残存する可能性がありますが、肺胞の虚脱に関しては早期のリハビリテーションで改善することが示唆されています2)3)。また、発症6週間以後のPost-COVID肺炎に対してステロイドが有効という論文もあり4)、Long-COVIDの中で比較的早期(発症後4-6週間)の場合はまだ急性期の炎症が残存している症例もあると思われます。COVID罹患後症状に対する特異的な治療は無く、基本的には治療介入ができる肺炎、器質化肺炎、心不全、肺塞栓症など除外するために胸部CT(肺塞栓症が疑われる合は造影で)、肺機能検査、心エコーなどの検査が推奨されます5)

1)Mo X, et al. ERJ 2020;55:2001217
2)Wu X, et al. Lancet Respir Med 2021;9:747-757
3)Liu K, et al. Complement Ther Clin Pract 2020 ; 39 : 101166.
4)Myall KJ, et al. Ann Am Thorac Soc 2021;18:799-806
5)新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネージメント

(回答日:2022/2/7)

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