COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q64. SARS-CoV-2ウイルスは空気感染の可能性はどのように考えたらよいでしょうか。また市中で感染者が増加し、誰が陽性者か分からない状況で、周囲の人とどのくらい距離を保つのが適切でしょうか。換気が不可能な閉鎖空間で気流の調節など可能な感染対策があれば教えてください。

感染管理

回答

新型コロナウイルス感染症の主な伝播様式には、飛沫感染と微小飛沫(エアロゾル)感染、接触感染が挙げられます。飛沫は感染者のくしゃみや咳嗽によって口から排出される細かい水しぶきです。飛沫は水分を含んでおり直径5μm以上と大きく、口から放出された後は1〜2m程度飛散してすぐに地面に落ちてしまいます。そのため通常は1〜2m以内の至近距離にて飛沫を浴びることで感染します。その感染予防の一つとして、相手との距離を2m(最低でも1m)保つ(フィジカルディスタンス)が推奨されています。現在は多くの方がマスクを着用していますし、日常の生活の中でフィジカルディスタンスを保ち続けることは難しいですが、その距離を意識して行動することにより感染拡大抑制の一助になるものと考えます。
一方、感染者からはエアロゾル(微小飛沫)と呼ばれる直径5μm以下の小さな飛沫も排出されることが知られていますが、このエアロゾルはしばらく空中に漂い、感染拡大の原因となります。ジェットネブライザーを使用したエアロゾルの閉鎖空間内での感染性の維持期間を研究した報告では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は従来のSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1T or 2)とともに、密閉された空間では数時間(3時間〜)にわたり感染性を維持することが報告されています1)。エアロゾルの存在がライブハウス2) や飲食店3)でのクラスター形成の原因となっていることが考えられ、閉鎖空間では定期的な換気が重要であることが示唆されます。複数窓がある場合には2方向の窓を開放することや外気を十分取り入れる換気システム、サーキュレーター等を用いた換気対策が期待されます。
結核や水痘、麻疹を代表とする空気感染は、飛沫の水分が蒸発し、中心の飛沫核(結核菌や水痘、麻疹ウイルス)が長時間空中に漂って感染源となる感染様式であり、エアロゾルとは異なるものです。新型コロナウイルス感染症の爆発的な拡大により空気感染の可能性が議論されていますが、そのエビデンスはまだ十分ではありません。また、厳密な定義がないために混乱も招いているものと考えます。現在は、微小飛沫(エアロゾル)による感染様式が感染拡大の主な原因と考えられます。今後、新たなエビデンスが蓄積されることを期待します。

(回答日:2022/2/14)

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