COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q63. SARS-CoV-2ウイルスは反復性感染が多く報告されていますが、例えばウイルス学的に反復性感染が起こりやすい特徴はあるのでしょうか。またCOVID-19の上気道の所見についても、インフルエンザと比較して、特徴があれば教えてください。

病態

回答

 SARS-CoV-2の反復感染には、複数の要因が考えられます。ウイルス側要因として、変異株受容体ACE2と結合するS蛋白質の変異が中和抗体への反応を妨げることによります。次に反復感染の際も多くの場合、ワクチン接種後半年後には抗体価は1/10に低下しているという問題があります。これに加え、上気道にウイルスが最初に感染しますが、この部位ではIgGの中和抗体よりも粘膜免疫を担うIgAが中心的な役割を担うとされ、ワクチン接種後2-4週間後に血清中S蛋白質に結合するIgA濃度の低かった集団ではブレークスルー感染を起こしやすかったという海外の報告もプレプリントに出ていて(https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.01.21261297v4)、今後よりはっきりしてくると思います。
 上気道の所見について、SARS-CoV-2はACE2を受容体としますが、インフルエンザウイルスの受容体はシアリル酸であり、いずれも上気道に分布します。ウイルスが感染するには受容体だけでなく、蛋白質分解酵素の発現にも依存し、細胞応答についてはウイルスを認識するパターン認識受容体と呼ばれる蛋白質の発現にもよると考えられています。未解明のことがまだ多いですが、このような違いがCOVID-19では特に初感染の時にインフルエンザウイルスと異なって感染に伴う上気道症状として嗅覚・味覚障害が多かったこと等につながっていると思います。オミクロン株によるブレークスルー感染が優位となり、嗅覚・味覚障害の頻度が減ったとされていますが、ワクチン接種による影響なのかウイルスが弱毒化したのかなどはまだ分かっていないので注意が必要です。

(回答日:2022/1/20)

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