COVID-19 FAQ広場

FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。

Q19. COVID-19で比較的徐脈を認めることが多いと感じています。中には心拍が30台になるものもあり、その場合はどのように対処したら良いでしょうか

病態

回答

通常、体温が1度上昇するごとに心拍数は18bpm/分増加します。比較的徐脈は体温上昇に心拍数の増加が伴わない病態で、その機序についてはいまだ解明されていません。比較的徐脈を心拍数<90bpmおよび付随する発熱(体温≥38.3°C)と定義したCapoferri Gらは、発熱を伴うCOVID-19患者の56%で比較的徐脈が観察され、COVID-19の臨床的な特徴であると報告しています。さらに比較的徐脈は臨床転帰(集中治療室への入院、挿管、死亡)と関連なしと報告しています(1)。
当院でも比較的徐脈の患者さんは散見されますが、背景となる心疾患がない場合、基本的に経過観察としています。しかし背景疾患が存在する症例、または疑われる症例に関しては循環器内科に併診いただき、心エコーによる評価や薬物療法など個別に対応しています。

(1) Capoferri G, Osthoff M, Egli A, Stoeckle M, Bassetti S. Relative bradycardia in patients with COVID-19. Clin Microbiol Infect. 2021 Feb;27(2):295-296.

(回答日:2021/3/12)