活動・取り組み
日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧
ERS 2025 参加報告書
国立国際医療センター
杉野 美緒
1)今回ERSに参加した理由
臨床現場で希少な先天性肺疾患である肺底区動脈肺動脈起始症の症例を経験したことがきっかけで、類似疾患である肺葉内肺分画症との相違に興味を持ち、2疾患の比較検討を行いました。ポスターセッションでその結果を発表するため、そして呼吸器疾患領域の最新の知見を得るためにERSに参加しました。
2)発表したセッションの感想
発表したポスターセッションは、呼吸器疾患におけるイメージングバイオマーカーやAIに関連したテーマでした。画像データにAIを用いた診断技術や、CTデータを用いて算出した肺容積と病態の関連など、幅広い疾患の画像データに関する研究テーマを知ることができました。
わたしは肺葉内肺分画症と肺底区動脈肺動脈起始症の臨床的特徴の比較のほか、両者の鑑別に有用なCTデータを用いた気管支構造の3Dイメージングについても検討しました。座長とは、今後それらの疾患に出会ったときどのように治療方針を決定していくのがよいか、議論を交わすことができました。
3)参加・聴講したプログラムの感想
悪性腫瘍、間質性肺炎領域を中心に聴講しつつも、さまざまなテーマのセッションに参加しました。中でも印象に残ったのはLive proceduresのセッションで、病院と中継をつないでリアルタイムで解説・議論を聞きながら気管支鏡検査、ロボット手術が行われているのをみました。呼吸器内科医として普段目にすることのない蛍光イメージングを用いたロボット支援下の肺癌手術は新鮮でした。また、日本では頻度の低い疾患(たとえば気管支拡張症における嚢胞性線維症の割合が高いなど)の議論を聞くことができたこと、セッションによっては最初に患者さんの生の声を聞く時間が設けられていたことなどは、海外学会ならではの経験でした。
4)カンファレンス以外での体験
アムステルダム・近郊の街並みは美しく、ビターバレンやクロケッテン、ワッフルをはじめとしたオランダ名物も楽しむことができました。普段お会いすることのできない他病院の先生方とお話しできたのも貴重でした。
5)今後参加する若手医師へのメッセージ
海外学会は自分の研究テーマを発表するだけでなく、国際的な最新の知見を得ることができる場です。国内学会よりもハードルが高いと感じるかもしれませんが、非常に規模が大きく、視野を広げて新たなアイディアを得るヒントが多くありますので、ぜひ挑戦してみてください。
最後に、学会参加の援助をいただいたことに改めて感謝を申し上げます。



