活動・取り組み

日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧

ATS 2026 参加報告書

浜松医科大学 内科学第二講座 呼吸器内科
矢澤 秀介

1)今回ATSに参加した理由

私は現在、肥満が気道上皮の線毛機能およびウイルス感染に与える影響について研究を行っています。今回、その研究成果をATS International Conference 2026で発表する機会をいただきました。
ATSは呼吸器領域における世界最大級の国際学会であり、自身の研究を国際的な場で発表するとともに、世界最先端の研究に触れ、特に気道上皮生物学や間質性肺疾患領域の最新研究を学ぶことを目的として参加しました。さらに、将来的な海外留学も視野に入れており、国際的な研究環境や研究者の活動に触れることで、自身の研究に対する視野を広げたいと考えました。

2)発表されたセッションの感想

私はThematic Poster Sessionにおいて、「Obesity-mediated Dysregulation of Mucociliary Clearance: Potential Roles in Exacerbating SARS-CoV-2 Infection」という演題で発表を行いました。
本セッションは、興味を持った参加者と発表者がポスター前で自由に議論を行う形式であり、多くの研究者と直接意見交換を行うことができました。
初めての海外学会での発表であったため不安もありましたが、参加者の方々は非常に親切で、聞き取りづらい部分や理解しづらい内容については分かりやすく言い換えながら質問してくださり、研究内容について活発な討論を行うことができました。また、研究内容に対して肯定的な評価や建設的な助言をいただくことができ、大変有意義な機会となりました。

3)参加・聴講したプログラム等の感想

学会期間中は、間質性肺疾患や気道上皮に関するシンポジウム、ポスター発表を中心に聴講しました。
国内学会と比較すると、発表内容は症例報告から大規模臨床研究、最先端の基礎研究まで非常に幅広く、呼吸器学の多様な分野における最新の研究成果に触れることができました。また、発表者と参加者の距離が近く、研究者同士が積極的に議論や意見交換を行う雰囲気が強く感じられました。国際学会ならではの活発な議論の雰囲気を経験できたことは、大変貴重な経験であったと感じています。
また、世界的に著名な研究者による講演では、研究内容そのものだけでなく、プレゼンテーションの構成やメッセージの伝え方も非常に洗練されており、研究発表の在り方についても多くの学びを得ることができました。

4)その他Congress以外での体験など

今回のATSは米国フロリダ州オーランドで開催されました。現在アメリカに留学中の先輩も参加されており、留学生活や研究環境、留学に向けた準備などについてお話を伺う機会がありました。将来的に海外留学を考えている私にとって、現地での生活や研究活動を具体的にイメージすることができ、大変貴重な経験となりました。
また、学会会場周辺を散策する機会もあり、日本とは異なる文化や雰囲気に触れることができました。国際学会は研究発表だけでなく、多様な価値観や文化を体験できる貴重な機会であることを改めて実感しました。

5)今後参加する若手医師へのメッセージ

発表準備や英語での質疑応答には大きな不安がありましたが、実際に参加してみると、それ以上に得られる経験や学びが非常に大きいことを実感しました。
海外学会では、自身の研究を世界に向けて発信できるだけでなく、研究者との議論や発表の聴講を通じて、新しい視点や発想を得ることができると感じました。特に、自身の研究に対して海外の研究者から直接質問や意見をいただいた経験は、大きな刺激となりました。
また、英語に不安があっても、多くの研究者は真摯に耳を傾けてくださいます。若いうちにぜひ国際学会へ挑戦し、広い視野と新たな経験を得ていただきたいと思います。
一方で、海外学会への参加には渡航費や宿泊費、学会参加費など経済的な負担も伴います。今回、日本呼吸器学会の海外学会参加助成によりATSへ参加する機会をいただき、安心して学会発表や各種プログラムの聴講に臨むことができました。このような支援制度は若手研究者にとって大変意義深いものだと感じています。
最後に、本学会への参加にあたりご支援を賜りました日本呼吸器学会の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今回得られた経験を今後の研究活動および診療に活かし、さらに研鑽を積んでまいります。