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Last Update:2016年5月6日

【12人の女性医師】呼吸器科医をめざそう ~その魅力とやりがいを語る~

呼吸器科の魅力とやりがいから、結婚・出産・育児の経験まで、全国各地で呼吸器科医として活躍する12人の女性医師が語ります。都会から地方へ移住し、地域医療へ貢献する女性医師の姿もぜひご覧ください。
初回はダイジェスト映像を、今後は数回にわたって個別の映像を公開していきます。

ご協力いただいた先生方(五十音順)

阿保 未来(金沢大学附属病院呼吸器内科)
荒川裕佳子(KKR(国家公務員共済組合連合会)高松病院 呼吸器内科・アレルギー科)
飯田 由子(日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野)
恩田 直美(日本医科大学千葉北総病院呼吸器内科)
加藤 有加(岡山大学病院 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科)
川田奈緒子(千葉大学医学部呼吸器内科/千葉大学附属病院総合医療教育研修センター)
國近 尚美(山口赤十字病院 内科)
駒瀬 裕子(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 呼吸器内科)
佐野安希子(近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科)
下田由季子(静岡県立総合病院呼吸器内科)
鈴木 夕子(網走厚生病院呼吸器科)
多賀谷悦子(東京女子医科大学内科学第一講座(呼吸器内科))

※リンクをクリックすると個別のインタビュー動画へジャンプします。

内容

呼吸器科を選んだ理由は?

飯田:私は学生の頃から癌診療にすごく興味があったんですけれども、研修医で呼吸器内科を回った際に、先輩の医師がとても患者さんに寄り添いながら、全人的な医療を行っていたことがすごく印象深く、喘息などのほかのCommon Diseaseなども診ることができるという点で、呼吸器内科にすごく魅力を感じて、こちらに進路を決めました。

飯田:私が基礎研究を始めたのは実際に患者さんを診ていて、その病気のより良い診断や治療というのを、もっと研究したいと思って始めました。
実際に始めてまだ日が浅いんですけれども、その病気を研究することによって、それが患者さんのためになる、というところが研究の醍醐味かと思います。

阿保:呼吸器は、ひとつの臓器に感染症、アレルギー、自己免疫性疾患、悪性腫瘍など、多様な要素を含んでいます。このようにいろんな要因を併せ持つ臓器はほかになかなかありません。さらに、出てきたいろいろなデータを見ても、それだけでは答えが出ないことが多いです。肺の組織など検体が自由に採取できないことも多いので、診断においては知識と経験、想像力が必要です。呼吸器は、他の臓器に比べて、より想像力をかきたてられる分野だと思います。そこが、医師として非常に醍醐味のあるところだと思います。

下田:私が呼吸器内科を選んだのは、患者さんの全身をとらえて診察すること。つまり、内科全般の知識が必要であることは言うまでもなく、ほどよく検査手技があり、気管支内視鏡検査で診断して治療をするという一連の流れに、魅力を感じたからです。また、胸部CT画像がキャンバスのように見え、そこに描かれる疾患を絞り込んで診断していくことに、大きな醍醐味を感じています。

川田:画像診断の分野は非常におもしろく、魅力的で、奥が深いと感じています。
画像検査は、病態診断だけでなく、呼吸機能や治療効果判定、予後予測に用いられるようになってきました。

恩田:呼吸器内科に入局してからはですね、肺癌はもちろんなんですけれども、気管支喘息やCOPD、間質性肺炎、肺高血圧、非結核性の抗酸菌症や真菌症などの感染症ですね。呼吸器内科の守備範囲は非常に広くて、しかも、慢性期から迅速な対応が望まれる急性期まで、幅広く経験を積ませていただいています。また、胸部異常陰影から疾患を推測して、検査・診断・治療に至るステップは、謎解きのような面白さがあります。

荒川:謎が解けるというのは、結局、患者様が良くなった時ということなので、それはもうもちろんうれしいですね。患者さんと一緒に喜べる、というところがあります。

呼吸器科の将来性は?

國近:超高齢社会の中で、ますます呼吸器疾患が増加し、需要が高まり、患者さんに必要とされる領域と考えます。WHOが予測している2020年の10大死因の中に、呼吸器疾患が4つも入っており、国際的にも重要な領域と考えられています。また、ほかの科からの連携ですけれども、薬剤性肺炎や元々の基礎疾患があり、ほかの科から必要とされることも多くあります。呼吸器科医として、活躍する機会が多いと考えられます。

多賀谷:開業したいと思っている先生でしたら、呼吸器科はホントにお勧めですね。患者さんを一人で一元的にいろいろ診られるようになるということ。それから、感染症とか、結核、インフルエンザ、そういう知識もありますので、産業医の道を選ぶ先生、それから保健所ですね、そういう行政関係に行かれる先生。そういうことも、いろんな選択肢が出てきます。


地域医療への貢献

鈴木:結婚を機に、大阪から網走の病院に勤務することになったのですが、私の住むオホーツクエリアには、呼吸器内科医は私しかいないので、重責を感じながらも非常に充実した毎日を送っています。
網走の病院に勤務して、地域医療というのは、地域の人のためになればそれが専門医療でも良いということに気付きました。専門医の治療を受けることができない町のかたがたに、大阪や東京の都市と変わらない治療を提供するのも、地域医療だと思っています。
通うのが大変だった抗癌剤治療や、何時間もかけて行く気管支鏡検査も、私が行ったことによって地元で受けられるようになりました。喜んでくださる患者さんを見ると、大阪にいた時以上に、呼吸器専門医としてのやり甲斐を感じています。

患者さんのご家族:鈴木先生は、患者に安心感を与えてくださる先生です。患者目線で話を聞いてくださって、そしてしっかりと医者として医療を施してくださる、そういった感想を、主人は持っております。
先日も肺炎で入院させていただいたんですけど、もしかしたら心不全かもしれないと先生が最初そうおっしゃって、すぐにレントゲンを撮って血液検査をしてくださって、肺炎だっていうことを、鈴木先生が明るい顔で、肺炎ですと、心不全じゃありませんでしたよって、おっしゃってくださったときに、主人が先生に手を合わせて「私はこれで、もう少し生きられますね」と申しました。その時私、本当に心から感謝しました。本当に助かっています。

鈴木:やっていてよかったな、もっとがんばろうと思いますね。やっぱりまだ、私がここにいて、呼吸器の外来をやっているということも、ご存じない患者さんもたくさんいるので、一人でも多くの方、呼吸器の症状で苦しんでらっしゃる方がいるんだったら、ぜひともお助けできたらいいな、という風に思いますね。


やりがいを感じるときは?

佐野:よその病院なんかで、ずっと診てもらっていた患者さんが、あれもうまくいかない、これもうまくいかない、「もうダメだ」と思っていらっしゃった患者さんを「あ、やればできる」とか「まだまだ自分もできる」というふうに思って、こう蘇らせてあげるって言うんですかね。そういうのがとてもやりがいを感じます。

呼吸器科医は女性に適しているか?

駒瀬:呼吸器科は、チーム医療が最も必要とされる科です。看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、地域の医師やコメディカルと調整を取って、ひとつのチームを作り上げるのは、女性にとても適していると思います。他の職種と協力しながら、地域をひとつの病院に仕上げていくのは、呼吸器科ならではの魅力と思います。

加藤:昨今、女性というのは、非常に多様な働き方をするようになってきています。それに呼応するように、呼吸器科というのは、慢性咳嗽から喘息、COPD、肺癌に至るまで、非常にたくさんの疾患を扱っておりますので、その時その時の女性のニーズに合わせた仕事の働き方ができるんではないかなというところが、女性にピッタリだと思います。

荒川:私の経験からもそうなんですけれど、たとえば、喘息とか睡眠時無呼吸症候群のような病気は、外来診療が主になるので、たとえば出産とか子育てが忙しい時期は、そういう外来診療を主にやって、で、ちょっと子育てが落ち着いてからは、病棟とか急性期の疾患も頑張ろうというふうに、自分のライフスタイルに合わせて、仕事のあり方を、選べるというところもあるので、女性の方も「呼吸器は忙しい」とか敬遠せずに、ぜひ来ていただきたいなあと思います。

仕事と家庭の両立は?

恩田:私の大学の呼吸器内科は、ここ数年入局者が増えていて、なかでも女性医師の割合も多くなってきています。上司の意向で、女性医師が働きやすい環境づくりというのを、非常に心がけていまして、お子さんを育てながらですね、仕事をされている方もいますし。

川田:私は子供が3人います。当科は、医局会や回診、カンファレンス、教育業務もすべて日中に行っており、子どもを持つ女性も働きやすいです。
当科は女性医師も多く、教授や医局長の声がけで、だれでも働きやすい職場環境をめざしています。ある若手の女性医師が「先生方のおかげで、私は辞めたいと思ったことは一度もありません!」と明るく言ってくれましたので、私もうれしく思いました。

飯田:女性医師の先輩方は、ホントに患者さんに対して細やかな気配りがあって、また、医療に対してすごく強い信念を持っていて、私も数年後には同じようにこの先生のようになりたいというふうに思えるような、尊敬する方々ばかりで、すごく身近にそういった方がいるというのは、自分のすごくやる気につながるかと思います。また、ご結婚やご出産をされて、仕事を続けられていらっしゃる先生もたくさんいらっしゃいまして、私自身も昨年結婚しました。私たちの医局は、女性医師、医局員だけではなくて、全体の医局員が多いこともあって、当直や業務などをお互いに助け合いながら、補い合いながら、やることができていて、そういったことを医局全体が配慮してくださっている点からも、私も結婚しましたが、仕事と家庭を無理なく続けていける理由かと思います。

鈴木:女性は、人生において、結婚や出産、子育て、配偶者の転勤や親の介護など、生活が一変するような出来事を経験することが多いと思います。そんな時に、日本全国で少ないと言われている呼吸器専門医のスキルとキャリアは、それらの出来事に対する決断を、きっと後押ししてくれるはずです。そして、女性としても、医師としても、輝かせてくれるはずです。私の経験から、このことは特に若い女性、医学生さんや、医師の方々に伝えたいと思っています。

駒瀬:呼吸器内科には、さまざまな分野があり、いろいろ興味を持てることがあります。
若い先生方には、ぜひ自分が本当にやりたいこと、そして自分にしかできないこと、自分が必要とされることを、見つけて欲しいと思います。


呼吸器科医をめざそう

多賀谷:呼吸器をやっている先生たちは、皆、クローニックな病気を診る疾患の科ですから、あまりこう、カリカリしないで、ゆったり患者さんを見守ってくれる、そういう先生が多いと思うんですね。ですからみなさん、呼吸器は、将来続けられる科ですし、長年やっていると「やっててよかったなあ」と思える科だと思いますので、ぜひ呼吸器に来てください。

飯田:呼吸器内科の女性医師は、すごく増えてきています。とても明るい医局ですし、さまざまな活動の場と可能性も広がっていますので、より多くの女性医師のみなさんに呼吸器内科に興味を持っていただき、一緒に活躍できる日をお待ちしています。

川田:超高齢社会を迎え、呼吸器専門医のニーズも高まっております。女性だからできることも、たくさんあります。ぜひ一緒に働きましょう。

阿保:呼吸器科はどんなところでもやっていけ、どんなところでも必要とされる、大変需要の高い科です。また、治療によって、直接患者さんの息切れや咳などの辛い症状を取って差し上げることができ、大きなやりがいを感じます。重症が多くて、敬遠しがちな方も、みんなで呼吸器科をめざせば、チーム医療で乗り切ることができます。
これからまだまだ必要となる呼吸器科です。ぜひ、みなさんをお待ちしております。

鈴木:北海道から沖縄まで、日本全国で呼吸器専門医は必要とされています。
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