Last Update:2014年3月13日

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呼吸器の病気

A-09感染性呼吸器疾患
はいきせいちゅうしょう

肺寄生虫症

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【病気の概要】

 寄生虫の卵や幼虫が肺に侵入して起こる病気です。肺を好んで住み着き、成虫になる肺吸虫症と、消化管を好みますが一時的に幼虫が肺を通過する時に、肺に病気を起こす場合(線虫類、条虫類、原虫類など)とがあります。

【発生数】

 内閣府の食品安全確保総合調査によると、1986年から2005年まで肺吸虫症は200例以上が診断されており、近年では、毎年30例以上の発生があります。

【発病のメカニズム】

 肺吸虫症の場合は、幼虫を持つサワガニ、モズクガニ、イノシシの肉(ザリガニやシカの肉で発生する場合もあり)などを加熱せずに食べて人間に感染します。また、これらを調理したあとの洗浄が不充分な調理器具を介して感染することもあります。他の寄生虫は、卵で汚染された土壌、野菜、イヌやキツネの糞、それらの体毛などを介して感染したり、糞線虫や鉤虫の幼虫は皮膚からも感染したりします。

図

【症状】

 肺吸虫症では、幼虫に感染してから2ヵ月以上の期間を経て、濃厚で粘っこいたんや、気胸(呼吸困難や胸痛)、胸水、胸部レントゲン写真での異常影などがみられます。その他、発熱、せき、血液検査で好酸球(白血球の1種)の上昇などがおこります。また時には幼虫が他の臓器に迷入して色々な症状を起こす場合もあります。

【診断】

 たん、便、気管支鏡で得られた肺洗浄液の中の寄生虫の卵を検出して診断します。また、研究機関で寄生虫関連の血液検査も行うこともできます。

【治療】

 寄生虫を殺す作用のある薬物療法を行います。

【生活上の注意】

 生の肉は十分に加熱してから食べた方が良いでしょう。サワガニ、モズクガニ、イノシシの肉は加熱(55~63℃で10分間)すると幼虫の感染力は失われると言われています。

【予後】

 免疫力が低下しているときに糞線虫に感染すると、重症になることがあります。

【参考サイト】

平成22年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」
http://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H22_29.pdf
国立感染症研究所感染症疫学センター 感染症情報
http://www.nih.go.jp/niid/ja/route/parasite.html

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