Last Update:2014年3月13日

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呼吸器の病気

A-08感染性呼吸器疾患
はいしんきんしょう

肺真菌症

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【概要】

 真菌を吸い込むことによって発病する病気の総称です。真菌とはカビのことで、皮膚の「水虫」は白癬菌というカビによって起こる表在性真菌症の代表です。肺や脳などに起こる病気は深在性真菌症といいます。日本で問題となるのはカンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ムコールという種類のカビですが、海外に在住する人が増えるにつれ様々な真菌による病気が見つかるようになりました。

【疫学】

 深在性真菌症の頻度は確実に増加しています。最も多いのが肺アスペルギルス症です。白血病の患者さんの解剖の結果ではアスペルギルス症が約半数を占め、カンジダ症、ムコール症がそれに続いて多くなっています。

【感染の経路と発病】

 真菌は空気などの環境中に存在しています。環境から吸いこんで体内に入ったり、口の中や皮膚に付いたりしていますが、健康な人に深在性真菌症が起こることはまれです。ステロイド剤や免疫抑制剤を飲んでいたり、白血病や抗がん剤によって正常な白血球が減っていたりするなど、抵抗力が落ちている人で病気の原因となることがあります。クリプトコッカスや海外の一部の地域に生息する真菌は健康な人にも病気を引き起こすことがあります。

【症状】

 急激に症状が進行する場合と緩やかな経過をとる場合があります。発熱、たん、血痰、呼吸困難、全身倦怠感などの肺炎や結核と似た症状がおこることがあります。

【検査】

 胸部エックス線画像、たんの検査、血液検査で診断がつく場合もあります。気管支鏡検査により病巣部からの分泌物や肺の一部を洗うことで真菌が見つかることがあります。その場合でも病状とあわせて慎重に診断します。手術でようやく診断がつく場合もあります。

【治療】

 治療は、真菌の種類によって多少異なりますが、多くの場合、治療の基本は抗真菌薬です。アスペルギルスによっておこる肺アスペルギローマの場合は、菌の塊がある空洞を切除する手術が根本の治療法と考えられています。しかし、もともと肺に病気があって手術が難しい場合は、抗真菌薬の点滴や飲み薬による治療を行います。

【治療費の公費助成】

 肺真菌症に関して公費助成はありませんが、その原因となっている病気に対して公費助成がうけられる場合があります。

【生活上の注意】

 真菌は生活するあらゆる場所に生育しており完全に生活から閉め出すことは不可能です。しかし、工事現場、廃屋、地下室等には真菌が多いため、免疫力の低下した人はそのような場所をさける方が良いでしょう。

詳しい情報は千葉大学真菌医学研究センターホームページを参照してください:http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me11.html

図1 顕微鏡で見たクリプトコッカス
写真

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