Last Update:2017年2月3日

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呼吸器Q&A

Q22

胸部エックス線画像で異常があり、胸水がたまっているといわれました

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胸水がたまっているとは?

 肺は、胸壁に囲まれた胸腔内に存在し、肺の外側は胸膜という薄い膜で覆われています。胸膜は胸壁側(壁側胸膜)と肺を覆っている胸膜(臓側胸膜)の2枚から成り、この間にたまった液体が「胸水」です。正常でも少量程存在し、胸膜がこすれない様に潤滑液としての役割を果たしています。胸水は、壁側胸膜から産生され、臓側胸膜から吸収されることにより、一定の量を保っていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると胸水が貯まってきます。普通のエックス線画像で胸水がわかるのは150ml以上たまった場合で、胸部CT画像では少量の胸水でも分かります。

どのような原因が考えられますか

 胸水には、主に胸膜の炎症や癌などによる滲出性(しんしゅつせい)胸水と非炎症性の漏出性(ろうしゅつせい)胸水の2種類あります。
 浸出液では、以下の3項目のうち1つ以上が当てはまります(Lightの診断基準)
①胸水中蛋白/血清蛋白>0.5
②胸水中LDH/血清LDH>0.6
③胸水LDHが血清LDH上限値の2/3以上

  1. 滲出性胸水の原因としては、感染(細菌、結核など)、肺がんや胸膜に発生する悪性中皮腫といった腫瘍、関節リウマチなどの膠原病などによる胸膜炎があります。通常は片側性で、悪性の場合は血性になることが多いです。
  2. 漏出性胸水は、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群,腎不全などでみられ、肺の病気以外が原因のことが多いです。通常は両側に見られ淡黄色透明です。

どのような症状がでますか

 胸の違和感や咳、そして、量が増えると息苦しさを感じるようになります。壁側胸膜には知覚神経が存在するため、痛みを感じる事があります。少量の場合や貯留速度が遅い場合は、無症状のこともあります。心不全などでは、足のむくみがみられることがあります。

診断はどのようにしますか

 胸部CT検査及び血液検査を行ない、胸水が貯まっている部位を超音波で確認して、その部分に注射針を刺して胸水を採取します。この検査は外来でも行なうことができます。細菌検査や悪性細胞の検査(細胞診)をすることで原因がわかることがありますが、わからない場合には、入院して胸腔鏡で胸膜の表面を直接観察し、病変の生検で診断がつくこともあります。

治療法について教えて下さい

 胸水貯留の原因が肺以外の場合には、原因となる病気の治療を行ないます。肺がんや胸膜中皮腫の場合には、抗がん剤による治療を行ないますが、貯まった胸水が大量である場合は、ドレーンという管を胸壁から挿入して、胸水を持続的に抜きます。急速に大量の胸水をぬくと、つぶれていた肺が急に広がることにより、肺水腫をきたしやすくなるため、時間をかけてゆっくり排液します。また、難治性で繰り返し胸水がたまる場合、ドレーンから2枚の胸膜を癒着させる薬剤を注入する胸膜癒着術を行うこともあります。

胸水

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