Last Update:2017年2月3日

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呼吸器Q&A

Q11

発作性に呼吸が苦しくなります

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“発作性に呼吸が苦しくなる”とは

 呼吸が苦しいというのは、息切れの表現の一つと考えられます。息切れを感じるメカニズムは2つに分けることができ、1つ目は、酸素不足と二酸化炭素の増加が主な原因です。酸素不足は動脈にあるセンサーが、二酸化炭素の増加は延髄にあるセンサーがそれぞれ感知し、もっと呼吸をしなさいと命令し、息切れを感じます。2つ目は、息をしなさいという命令に対して、十分に息ができていないと感じると、息切れがおこります。肺や胸膜のセンサーで、実際におこなわれた呼吸の量を感知し、呼吸中枢に情報が伝わり、まだ呼吸が足りないと判断すれば、息切れを感じます。発作性に呼吸が苦しくなるとは、急に息切れが生じ、自然にまたは何らかの方法で、息切れが改善することを示しています。酸素は肺から取り込まれ、全身の細胞に送り届けられます。空気の通り道である気道、酸素を取り込む肺胞、酸素を運搬する血液、血管、血液を送り出す心臓などに急な変化がおこると発作性に呼吸が苦しくなります。また、呼吸は全身の臓器と協調して行われており、ネットワークのどこかに支障をきたしても、息切れが生じます。

“発作性に呼吸が苦しくなる”病気

1)気道疾患;気管支ぜんそくが最も代表的な病気です。せき、たん、ぜんめい(ゼーゼーという音)、息切れなどの症状を繰り返し、特に夜間、早朝に症状はでやすくなります。慢性の気道炎症があり、様々な原因で気道が狭くなったり、自然に元に戻ったりするので、発作性に呼吸が苦しくなります。さらに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)でも、気管支喘息を合併していることがあり、発作性に呼吸が苦しくなることがあります。また、アレルギーによる急性喉頭浮腫(喉頭がむくむこと)や、比較的太い気管支に腫瘍などが一過性の気道狭窄をおこし、息切れの原因になることがあります
2)肺胞への血流を阻害する疾患;肺胞で酸素を受け取る血流に異常を生じることがあります。エコノミークラス症候群とも呼ばれる肺血栓塞栓症が最も重要です。血流が停滞し、血液が固まりやすくなることで、下肢や骨盤の静脈にできた血栓(血のかたまり)が血流に乗って肺に運ばれ、肺の血管につまって肺胞への血流が途絶えることでおこります。血栓はつまったり自然に溶けたりすることがあり、このような時、発作性に呼吸が苦しくなることがあります。
3)心疾患;急性心筋梗塞、心筋症、不整脈などにより心臓の機能が低下し、血液を十分に送り出せない状態を心不全と言います。肺内に水分が貯留して酸素が受け取りにくくなり、また、細い気管支領域のむくみなどにより気道が狭くなり、気管支ぜんそくと同じように、せき、たん、ぜんめい、息切れなどの症状を呈することもあります。さらに、酸素を体の隅々まで運ぶこともできなくなります。これらの症状は、摂取する塩分や水分、尿の量、姿勢などで変化するので、発作性に呼吸が苦しくなることがあります。
4)神経・筋疾患;呼吸筋を動かす命令を伝える神経に何らかの障害をきたし、呼吸ができなくなり、息切れを生じます。通常は息切れだけでなく、他の症状も伴っています。様々な病気があるのですが、ギランバレー症候群と重症筋無力症が代表的な疾患です。症状は自然に回復することがあり、発作性の息切れの原因となります。

発作性に呼吸が苦しくなったらどうしたらよいのか

 頻度が多いのは気管支ぜんそくなので、まず、呼吸器内科のある病院を受診して下さい。症状、呼吸機能検査(肺活量など調べる検査)、胸部エックス線、胸部CT、心電図、血液検査、動脈血ガス分析(血液中の酸素、二酸化炭素濃度を調べる検査)、などを参考にして病気の診断をします。気管支ぜんそく以外の場合は、総合的に様々な角度から検査をする必要があるので、循環器内科、神経内科、アレルギー科などもある総合病院を受診して下さい。

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