Last Update:2014年2月25日

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呼吸器Q&A

Q8

急に胸が痛くなり続いています。心臓や肺の病気でしょうか?

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胸の痛み(胸痛)がくる病気にはどのようなものがありますか?

 胸痛をきたす病気には心臓や血管の病気、肺や胸膜の病気、骨、神経、筋肉の病気、消化器系の病気、心因性などがあり非常に多彩です。(1)どのような痛みか(刺すような痛みか、鈍い痛みか、圧迫されるような痛みか、絞め付けるような痛みか)(2)どこが痛いか(左胸部か、前胸部か、背部か、首や肩に放散するか、局所的か)(3)どのくらい持続するか(瞬間的か、数分か、数時間からそれ以上か)(4)どのような時に痛むか(動いた時か、安静時か、体位を変えた時か、呼吸との関係があるか、食事との関係があるか)(5)ほかに症状はあるか(呼吸困難、発熱、冷汗、吐き気、おう吐など)以上の点が原因を推測する上で役立ちますので受診の際は説明できるようにしておきましょう。以下に胸痛をきたす病気の痛みの特徴を説明します。

1.心臓や大血管の病気

  • 狭心症:胸部中央から左側にかけて絞めつけられる感じや圧迫感があり、数分で消失するのが特徴です。労作時や食事の直後、興奮や緊張時に出現しますが、異型狭心症では夜間、朝方や起床時の安静時に起こります。首や左肩に放散したり、上腹部に痛みを感じることもあります。急性心筋梗塞ではこれらの痛みがより重篤で、持続時間も長くなり、冷汗や呼吸困難も伴います。
  • 大動脈解離:大動脈の壁に亀裂が入る病気ですが、その胸痛は突然の引き裂かれるような激しい痛みで、亀裂が進むにつれ、胸部から頚部、咽頭、下顎、背部、腹部へと移動します。

2.肺や胸膜の病気

  • 気胸:突然の胸痛と息苦しさや呼吸困難を伴います。気胸は肺の一部が破れて肺が縮んだ状態をいいます。胸痛は発症時に強く、しばらくするとやや軽快する傾向にあります。しかし胸腔内の圧が上昇していく緊張性気胸ではショックなど重篤な状態になることがあります。胸痛の原因として頻度が高く、やせ型の若い男性に多く見られますが、肺気腫など呼吸器の病気がある中高年にも認められます。
  • 急性肺血栓塞栓症:足や骨盤内の静脈に血栓ができて、これが移動して肺の血管(肺動脈)をふさいでしまうことにより起こります。詰まった血管の太さで症状の程度や重症度は異なり、血たん、せき、失神をきたすこともあります。航空機利用によって生じた静脈血栓塞栓症はエコノミークラス症候群と呼ばれます。
  • 胸膜炎・膿胸:細菌感染などが原因で発症し、発熱や悪寒を伴います。

3.神経・筋肉・骨の病気

  • 肋骨骨折:外傷や過度の運動、激しいせきなどで肋骨が折れたり、ひびが入ったりすることがあります。深呼吸やせき、押した時に痛みが増強します。
  • 帯状疱疹:水ぶくれのある発疹が肋骨の内側にある肋間神経に一致して帯状に広がる病気です。鋭い激しい痛みが認められます。
  • 悪性腫瘍:腫瘍が胸壁にまで浸潤すると持続性の強い痛みが生じてきます。

4.消化器の病気

  • 逆流性食道炎:胸骨のまん中あたりの胸痛で、嚥下困難や胸焼けなどの随伴症状があります。
  • 腹部臓器の病気:急性膵炎、胆嚢疾患などでも胸部に痛みが放散することがあります。

5.心因性によるもの

  • 心臓神経症:検査で何も異常がなく、精神的負荷がかかったときに胸痛を感じます。過換気症候群でも同様の症状がみられることがあります。

どの科にかかったらよいでしょうか

 胸痛の場合は、心臓や肺にまず異常がないか見極める必要がありますので、循環器科や呼吸器科がよいでしょう。特に痛みが激しく、持続する場合は重篤な状態になることもありますので、直ちに救急病院を受診して下さい。

病院ではどのような検査や治療を行うのでしょうか

 胸痛に関する問診と身体診察の後、胸部エックス線画像と心電図の検査を行い、緊急性の高い疾患の有無をチェックします。胸部エックス線画像で肺や胸膜に異常があれば、気胸、胸膜炎などを疑います。心電図で心筋梗塞が疑われる場合は心筋由来の蛋白であるトロポニン-Tなどの血液検査を行います。大動脈解離や急性肺血栓塞栓症が疑われる場合は造影剤を用いた胸部CTなどを行います。胸部エックス線画像や心電図に異常がなく、問診で狭心症が疑われる場合は負荷心電図などの精密検査をすすめていくことになります。それぞれの診断のもとに精密検査や治療を行いますが、胸痛の原因がはっきりしない場合は痛み止めや抗不安薬などを投与して慎重に様子をみていくこともあります。

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