Last Update:2017年6月15日

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呼吸器の病気

A-06感染性呼吸器疾患
はいのうよう

肺膿瘍

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 肺膿瘍は、肺が炎症を起こして肺組織の構造が破壊されて空洞をつくり、そこに膿(うみ)が溜まった状態です。アルコール依存症などで誤嚥を繰り返す人に起こることが多く、肺化膿症(はいかのうしょう)と呼ばれることもあります。
 この病気は、口の中のものを誤って肺に吸い込んだりした場合に起こります。原因菌は、口腔内の嫌気性菌(けんきせいきん)です。特に口腔内衛生が不良な人では、口腔内の嫌気性菌数が増えており、これを肺へ吸い込むことによって発症します。また、病原菌が肺以外に発生した感染巣から血流に乗って肺に到達(血行性感染)し、肺膿瘍を発症することもあります。
 肺膿瘍になると、発熱、倦怠感、寝汗、せき、膿性たんがみられます。典型的には、数週間かけてゆっくりと症状が進みます。病変が胸膜(きょうまく)に波及することによって、胸の痛みが生じます。顕著な体重減少に気付くこともあります。たんはしばしば腐敗臭を発し、血が混じることもあります。
 検査では、血液中の白血球の増加や炎症反応の増加を認めます。胸部エックス線画像や胸部CT検査では、肺の中に空洞病変と、空洞の中にニボーと呼ばれる水平(鏡面)形成像がみられます。
 肺膿瘍の治療は、口腔内の嫌気性菌に有効な抗菌薬を用いて行います。通常の肺炎と比較して長期(1ヶ月から2ヶ月程度)の治療が必要となります。なかなか治らない場合や、膿が大量にたまっている場合、膿胸にまで進んだ場合は、胸から管を入れて膿を体外に出したり、外科で手術が必要となることもあります。
 肺膿瘍の予防法としては、口腔ケアや虫歯の治療が重要です。また、長引くせきや発熱、胸の痛みが出てきた場合、呼吸器専門医のいる病院を受診し、相談する必要があります。

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