Last Update:2014年3月13日

呼吸器の病気一覧へ戻る

呼吸器の病気

A-05感染性呼吸器疾患
はいのうよう

肺膿瘍

印刷版

 肺膿瘍は、肺が炎症を起こして肺組織の構造が破壊されて空洞をつくり、そこに膿(うみ)がたまった状態です。大酒飲み、糖尿病、誤嚥を繰り返す人、免疫が低下している人に起こることが多く、肺化膿症(はいかのうしょう)と呼ばれることもあります。
 この病気は、口の中のものを誤って肺に吸い込んだり、肺炎が重症化、慢性化した場合に起こります。また、肺癌の手術後や、歯科での治療や歯ぐきの炎症の後に引き続いて起こります。原因菌としては、嫌気性菌(けんきせいきん)、黄色ブドウ球菌、緑膿菌(りょくのうきん)、大腸菌(だいちょうきん)、クレブシエラ等があります。また、肺以外の部分に発生した膿瘍(のうよう)から血流に乗って肺に到達(血行性感染)すること、尿路、胆道等の感染や、皮膚や心内膜炎(しんないまくえん)等の感染から血液を介して肺に到達することもあります。
 肺膿瘍になると、寒気を伴う高熱、せき、たん(血が混じるたん、黄~緑色のたん、嫌な臭いのたん)がみられます。病変が胸膜(きょうまく)に達した場合は胸の痛みがあります。さらに進行した場合では、体重が減少したり、呼吸が苦しくなったり、意識が悪くなることもあります。
 検査では、血液中の白血球の増加や炎症反応の増加を認めます。たんの検査ではその中に原因となる菌を認めます。胸部エックス線画像や胸部CT検査では、肺の中に空洞病変と、空洞の中にニボーと呼ばれる水平(鏡面)形成像がみられます。
 肺膿瘍の治療は、複数の菌が原因となることが多いことから、原因の菌に対して有効な抗菌薬を組み合わせて治療を行います。なかなか治らない場合や、膿が大量にたまっている場合、膿胸にまで進んだ場合は、胸から管を入れて膿を体外に出したり、外科で手術が必要となることもあります。通常の肺炎と比較して長期(数か月)の治療が必要となります。
 肺膿瘍の予防法としては、口腔ケアや虫歯の治療が重要です。また、長引くせきや発熱、胸の痛みが出てきた場合、呼吸器専門医のいる病院を受診し、相談する必要があります。

ページの先頭へ