Last Update:2017年2月3日

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呼吸器の病気

I-04その他
かかんきしょうこうぐん

過換気症候群

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 精神的不安や極度の緊張などにより過呼吸の状態となり、血液が正常よりもアルカリ性となることで様々な症状を出す状態です。神経質な人、不安症な傾向のある人、緊張しやすい人などで起きやすいとされます。
 何らかの原因、たとえばパニック障害や極度の不安、緊張などで息を何回も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸状態)になると、血液中の炭酸ガス濃度が低くなり、呼吸をつかさどる神経(呼吸中枢)により呼吸が抑制され、患者さんは呼吸ができない、息苦しさ(呼吸困難)を感じます。このために余計何度も呼吸しようとします。血液がアルカリ性に傾くことで血管の収縮が起き、手足のしびれや筋肉のけいれんや収縮も起きます。患者さんは、このような症状のためにさらに不安を感じて過呼吸状態が悪くなり、その結果症状が悪化する一種の悪循環状態になります。
 自覚症状には息をしにくい、息苦しい(呼吸困難)、呼吸がはやい、胸が痛い、めまいや動悸などがあります。テタニーと呼ばれる手足のしびれや筋肉がけいれんしたり、収縮して固まる(硬直)症状がでます。手をすぼめたような形になり“助産師の手”と呼ばれます。この所見は、血圧計のマンシェットを腕に巻いて手の血流を止めるとより出やすくなります(トルーソー徴候)。耳の前や顎の関節をたたくと顔面神経が刺激され、唇が上方にあがります(クボステック徴候)。
 呼吸がはやく、呼吸困難感を訴える患者さんで、上記の自覚症状や筋肉のけいれん、硬直などの所見があればこの病気を疑います。動脈血液ガスの検査では、炭酸ガス濃度が低く、アルカリ性になります。
 治療ですが、意識的に呼吸を遅くするあるいは呼吸を止めることで症状は改善します。患者さんは不安が強くなかなか呼吸を遅くすることができませんので、まずは患者さんをできるだけ安心させゆっくり呼吸するように指示します。紙袋を口にあてていったん吐いた息を再度吸わせることで、血液中の炭酸ガス濃度を上昇させる方法(ペーパーバック法)がありますが、この方法では血液中の酸素濃度が低くなりすぎたり、炭酸ガス濃度が過度に上昇したりする可能性がありますので充分な注意が必要です。不安が強い患者さんでは、抗不安薬などの投与を行うことがあります。
 過去にこの病気にかかったことがある方は、過度の緊張や不安などが起きる状況をさけるように注意してください。またうつ病などの精神疾患や不安症、パニック障害などがある方は、それらに対する治療が発症防止に有用なことがあります。一般に予後は良好で、数時間で症状は改善します。

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