Last Update:2014年3月6日

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呼吸器の病気

A-04感染性呼吸器疾患
さいきんせいはいえん

細菌性肺炎

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 肺炎は“風邪をこじらせる”程度でもなり得るありふれた疾患です。しかし、日本人の死亡原因として第三位にランクインしており(平成23年データより)、致命的となることもあります。肺炎が気管支炎にとどまるか、広範囲に広がるかは、菌の毒力と患者さんの抵抗力のバランスで決まります。肺炎の死亡率はとくに高齢者で高く、75歳を過ぎると急激に増加します。加齢に伴う唾液分泌量の低下や、口腔・咽頭分泌物のくり返される誤嚥が肺炎を引き起こします(誤嚥性肺炎についての項目をご参照ください)。
 細菌性肺炎において、原因菌の決定とどの抗菌薬が効くのかを調べるには培養が必要です。しかし検査のために治療開始を遅らせることはできないので、菌を同定せずに治療を開始することも稀ではありません。肺炎の病態と原因微生物は極めて多様で、抗菌薬にも多くの種類があるため、臨床現場での対応は医療者や医療施設によって異なるのが現状です。これに対して、我が国の現状に沿った治療指針として、市中肺炎(2007年)、院内肺炎(2008年)、医療・介護関連肺炎(2011年)のガイドラインを公表し、各施設ではガイドラインに従って治療方針を決めています。
 細菌性肺炎の原因の多くは、口や鼻の奥、のどなどにいる「一般細菌」で、この他には他の保菌者(動物のこともある)や環境中の病原体を空気と共に吸い込んで起こします。ウイルスによるかぜやインフルエンザにより障害された気管支や肺の粘膜に細菌が落下・付着して起こることもあります。
 症状は、せきやたん、発熱が見られることが多いのですが、誤嚥による肺炎などではこれらの症状がはっきりしないこともあります。倦怠感、食欲不振、胸痛等も起こります。特に老人では肺炎の症状が軽いことがあるので発熱、呼吸数増加、頻脈に注意が必要です。食欲低下、不活発、会話をしないなども肺炎を疑う症状です。
 診断は、呼吸器科や内科で診察を受け、胸部エックス線画像や血液検査で行うことができます。
 治療は、軽い場合には飲み薬や注射の抗菌薬による1~2週間の治療で改善しますが、慢性の病気があったり、受診が遅れた場合には重症化して生命に危険が及ぶこともあります。早期受診すると共に、予防には普段のうがいや健康管理が大切です。また、インフルエンザワクチンや肺炎の原因菌で一番多い肺炎球菌に対する肺炎球菌ワクチンの接種により感染をゼロにすることはできないまでも、予防とともに感染した場合の重症化を防ぐことができます。かかりつけの医師へのご相談をお薦めします。

図1 肺炎の胸部エックス線画像:向かって左側の下(実際は右側)に肺炎が見られる

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