Last Update:2014年3月3日

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呼吸器の病気

F-03肺血管性病変
はいすいしゅ

肺水腫

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【概要】

 肺は酸素を取り入れ、体内で生じた二酸化炭素を排出するために、肺胞(はいほう)と呼ばれる小さな袋状の構造物に空気を取り入れています。この肺胞の周りには網目状の毛細血管が取り巻き、空気と血液との間で酸素と二酸化炭素が交換されています。肺水腫はこの毛細血管から血液の液体成分が肺胞内へ滲み出した状態です。肺胞の中に液体成分が貯まるため、肺で酸素の取り込みが障害されて重症化すると呼吸不全に陥ることがあります。

【疫学】

 様々な原因による疾患のため正確な発症数は不明です。

【発病のメカニズム】

 肺水腫の原因には大きく分けて二種類があります。一つは心臓に原因がある場合で、何らかの原因で心臓の左心室から全身へ血液を送り出す力が低下し血液が肺に過剰に貯留する状態で、これを心原性肺水腫と呼びます。もう一つは心臓以外の原因で生じるため非心原性肺水腫と呼ばれます。このタイプは肺毛細血管の壁が病的変化により液体成分が滲み出しやすくなって生じるもので、中でも急性呼吸窮迫症候群といわれるものは死亡率も高い疾患です。非心原性肺水腫は重症肺炎、敗血症、重症外傷など様々な疾患に引き続いて生じます。

【症状】

 肺水腫の主な症状は呼吸困難です。仰向けになると息苦しくなるため起き上がって座りたくなったり、夜中に突然息苦しくて目が覚めたりします。また、のどの奥でゼーゼーという音がしたり、ピンク色の泡のようなたんが出ることがあります。進行すると皮膚や口唇は紫色になり、冷や汗をかいて血圧が下がり意識状態が悪くなることもあります。

【診断】

 診断は胸部エックス線画像で典型的な画像であれば容易ですが、典型的でない場合には様々な検査を組み合わせる必要があります。

【治療】

 治療は心原性肺水腫と非心原性肺水腫で異なりますが、肺胞内の水分除去のための利尿薬、肺の炎症を抑えるための種々の薬剤などが用いられます。また、酸素投与を行ったり、さらに重症の場合には人工呼吸器を用いて、気道内を陽圧に保つ治療が行われることもあります。

【予後】

 原因となる疾患によって大きく異なります。


図1

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