Last Update:2014年3月3日

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呼吸器の病気

F-01肺血管性病変
はいけっせんそくせんしょう

肺血栓塞栓症

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【概要】

 心臓から肺に血液を送る肺動脈に血栓(けっせん)がつまるために起こります。血栓は主に下肢などの静脈内で血液が凝固して生じ、血液の流れに乗って肺に達します。大きな血栓が肺動脈を塞ぐと、酸素を取り込めなくなったり心臓から血液を押し出せなくなり、突然死の原因にもなることがあります。

【疫学】

 日本では1年間に人口100万人あたり62人発症するという報告があります。

【発病のメカニズム】

 血液は流れが停滞すると凝固して血栓ができやすくなります。航空機などで長時間座っていて下肢の血液が滞り、血栓が生じて発症する“エコノミークラス症候群”が有名です。また、大きな手術の後や重症な病気のため寝ている時間が長くなると発症しやすくなります。他にも遺伝、様々な疾患、薬剤、加齢などによって血栓が生じやすくなることがあります。

【症状】

 突然はじまる息切れ、胸の痛み、せきなどの症状がよく見られます。下肢のむくみや痛みが先行することもあります。突然の意識障害や心停止が最初に起こる場合もあります。

【診断】

 以前は肺動脈造影や肺血流スキャンなどの検査が診断に必要でしたが、最近は高性能なコンピューター断層写真(CT)が肺血栓塞栓症の診断に活用されています(図1)。

図1

【治療】

 血栓溶解剤や抗凝固薬などが使用されます。重症な場合には人工心肺が必要になったり、カテーテルを用いた治療や外科手術をする場合もあります。

【生活上の注意】

 発症後一定期間、抗凝固薬(ワルファリンなど)の服用が必要になります。ワルファリンを内服する場合、ビタミンKの多い食品を避けるなどの注意が必要になります(参考URL http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/treatment/warfarin.html)。
 肺血栓塞栓症を予防するために、術後長期間の安静を要する大手術では、手術後にリハビリテーションや予防体操、適切な体位交換が行われます。また長時間の飛行機の登場の際も、時々足をのばしたり、トイレ時に体操することが望まれます。

【予後】

 発症早期の死亡率は約10~30%とされています。3年間の追跡調査では再発が2~5%ですが、本症による死亡率は1%以下です。
詳しい情報は下記サイトもご参照下さい。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph46.html

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