Last Update:2014年2月28日

呼吸器の病気一覧へ戻る

呼吸器の病気

D-01間質性肺疾患
とくはつせいかんしつせいはいえん

特発性間質性肺炎

印刷版

【概要】

 肺は肺胞というブドウの房状の小さな袋がたくさん集まってできています。間質性肺炎は、この肺胞の壁の正常構造が壊れて線維化(ケロイドのような傷あと)が起こる病気です。肺胞の壁を通して人は酸素を取り込んでいますが、この壁が固く、厚くなるために、酸素を取り込みづらくなります。間質性肺炎の原因はさまざまで、膠原(こうげん)病、じん肺、放射線、アレルギー性のものなどがありますが、原因不明のものを特発性間質性肺炎といいます。

【症状】

 多くは50歳代以降に、労作時の息切れや咳嗽を自覚します。

【診断】

 特発性間質性肺炎は、7つの病型に分類されます。問診、身体診察に加えて、胸部エックス線画像や、CT検査(資料1)、呼吸機能検査、運動時の血液中の酸素の量の低下の割合などから病気の勢いを評価し、病型の分類を推測します。気管支内視鏡検査により肺の洗浄検査等を行うこともあります。最も正確な診断は肺の組織検査によって行われますが、全身麻酔による手術を必要とするため、患者さんの状態によって施行すべきか検討しています。

資料1 特発性間質性肺炎の肺の下の方を中心に蜂の巣状に肺が変化しています(蜂巣肺)

【予後と治療】

 病型の中で最も頻度が高いのは特発性肺線維症と呼ばれるものです。この病型では、息切れは徐々に進行し、平均的な予後は病気を指摘されてから約5年とされています。病気が進行すると、在宅酸素療法を用いることがあります。進行の程度が速い患者さんには抗線維化薬を用いることにより、進行を緩徐にすることができる場合がありますが、効果には個人差が見られます。その他の病型の特発性間質性肺炎には、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)や免疫を抑える薬が有効であることがあります。

【急性増悪】

 風邪などを契機に急激に病状が悪化することがあり、これを急性増悪(ぞうあく)といいます。ステロイド薬などで治療を行いますが、非常に致死率の高い状態になりえます。急性増悪のリスクとなるため風邪をひかないように日常の手洗い、うがいを徹底する必要があります。また、肺炎やインフルエンザのワクチンを適宜受けておくことも推奨されます。

資料2

ページの先頭へ