Last Update:2014年3月13日

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呼吸器の病気

B-02気道閉塞性疾患
びまんせいはんさいきかんしえん

びまん性汎細気管支炎

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【概念】

 気管支は枝分れしてだんだん細くなり最終的に肺胞(はいほう)という小さな袋になりますが、その手前の部分を呼吸細気管支といいます。びまん性汎細気管支炎は、この部分の慢性炎症のためにせきやたんが出たり、息苦しくなる病気です。

【疫学】

 日本以外にも韓国や中国など東アジアで多くみられる病気ですが、欧米ではほとんどみられません。近年わが国でも患者数は減少してきています。発症に男女差はほとんどなく、発症年齢は40~50歳代が多いとされています。

【原因】

 はっきりした原因は未だ不明ですが、環境要因と遺伝的な要因の両者が関わって発症する病気と考えられています。多くの例では、小児~青年期にまず慢性副鼻腔炎(蓄膿症)症状で始まり、長い年月を経て慢性のせき、たん、息切れが加わることから上気道と下気道の防御能の低下が重要と考えられます。また、親子・兄弟発症も多く報告され、遺伝的素因のかかわりも強い疾患です。実際に、白血球抗原(HLA)のタイプであるHLA-B54をもつ患者が高率にみられます。

【症状】

 80%以上の患者さんで慢性副鼻腔炎の合併がみられ、鼻閉、膿性鼻汁、嗅覚低下などの症状を伴います。気道閉塞(気管支が狭くなるため空気が通りにくくなること)や、これに気道の細菌感染も加わるため、持続するせきやたん、息切れがみられます。とくにたんの量が多い(時に1日200~300mL)のが特徴です。病気を放置しておくと、症状が徐々に進行して呼吸不全になることがあるので、早めに治療することが大切です。

【検査】

 上記の症状に加えて、胸部エックス線画像やCT検査で、両側の肺全体に広がる小さな粒状の影がみられることで診断されます(資料1)。呼吸機能検査では閉塞性障害、血液検査では寒冷凝集素価の高値がみられます。

資料1 肺の両側全体に小さな粒のような陰影がみられます

【治療】

 以前は有効な治療法がなくしばしば死に至ることもありましたが、1980年代以降はマクロライド系の抗生物質を長期間服用する治療法が行われるようになり、症状や病気の経過が著しく改善しました。

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