Last Update:2014年2月28日

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呼吸器の病気

A-11感染性呼吸器疾患
ごえんせいはいえん

誤嚥性肺炎

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 日本人の死亡原因の第4位は肺炎です。肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位に順位があがります。

【誤嚥とは?】

 食べ物や飲みものを飲み込む動作を「嚥下(えんげ)」、この動作が正しく働かないことを「嚥下障害」といいます。食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管や気管支内にはいることを「誤嚥」といいます。

【誤嚥性肺炎とは?】

 誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生し、抗菌薬治療に抵抗性をもつことがあります。そのため優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、高齢者の死亡原因となっています。

【誤嚥性肺炎のおこる理由は?】

 (1)口腔や咽頭内容物による誤嚥、(2)胃逆流物による誤嚥があげられます。
 老化に伴って起きる生理的な変化や脳血管障害や神経系疾患では神経伝達物質(サブスタンスP)の減少で咳反射や嚥下反射の機能低下によりおこります。嚥下反射の低下により知らない間に細菌が唾液と共に肺に流れ込み(不顕性誤嚥)、肺の中で細菌が増殖して肺炎を引き起こします。嘔吐などによる胃液が食べ物と共に食道を逆流しておこることもあります。

【症状は?】

 発熱、せき、喀痰など通常の症状を訴えないことも多く、なんとなく元気がない、倦怠感を訴えることもあります。食事中のむせこみ、常に喉がゴロゴロ鳴っている、唾液が飲み込めない、食事に時間がかかる、たんが汚いなども疑わしい症状です。また、酸素低下をきたし、重症の呼吸不全になることもあります。

【治療は?】

 誤嚥性肺炎を起こす細菌の多くは嫌気性菌(酸素のないところで発育する菌)です。肺炎の原因となる細菌を殺す抗菌薬で治療を行います。

【予防は?】

 (1)飲食の意識付けや誤嚥予防の体位保持(食後すぐに横にならないで、2時間程度座位を保つ)(2)口腔ケア(口の中の雑菌を減らす、嚥下反射を改善させる)(3)咳反射を亢進させる降圧剤であるACE阻害薬による嚥下障害の改善、(4)胃瘻増設、気管食道剥離術(適応は厳格に検討)などがあります。

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