Last Update:2014年3月13日

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呼吸器の病気

A-10感染性呼吸器疾患
ひよりみかんせんしょう

日和見感染症(ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス肺炎)

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 一般的な免疫力(抵抗力)を持っている普通の人(健常人)には感染症を起こさない弱毒微生物や通常は無害菌等と呼ばれる病原体が原因で起こる感染症のことを日和見感染症と呼びます。代表的なものとしてニューモシスチスやサイトメガロウイルス、MRSAや緑膿菌、真菌など様々なものが原因となり、また正常細菌叢を構成する菌である場合も多くあります。
 これら弱い菌に感染する場合は免疫力(抵抗力)が問題となっていることがほとんどであり、免疫力(抵抗力)が低下する要因として、糖尿病、腎不全、肝不全、悪性疾患(癌や白血病等)、エイズなどの全身疾患やステロイド製剤や免疫抑制剤内服による薬剤性によるものが挙げられます。日和見感染は抗菌薬が効きにくい場合があり、治療が難しいことが多い疾患です。免疫力が低下すると潜伏感染していた微生物が増殖し、または新たに感染して肺炎を発症します。
 代表的なものとして下記に記載します。
ニューモシスチス肺炎(旧名:カリニ肺炎)の病原微生物は、Pneumocystis jiroveci(旧名:Pneumo-cystis carinii)と呼ばれる真菌(カビ)の一種です。存在場所や感染経路は未だに不明ですが、自然界に存在し気道を通じて感染すると考えられています。種特異性があり、他の動物に感染するニューモシスチスは人には感染しません。
サイトメガロウイルス(CMV)肺炎の病原微生物はサイトメガロウイルス(CMV)というヘルペスウイルス科に属するウイルスのひとつです。感染者の血液、唾液、尿、精液、子宮頸管粘液、母乳などに含まれ、多くは新生児・乳児期に感染し、抗体を獲得しています。20歳代で陽性は58.6%、30歳代では75.5%と加齢に従い陽性率は増加し、成人の80~90%はCMV抗体を持っています。

【症状】

 両者とも、症状は発熱、せき、呼吸困難で、胸部エックス線やCT検査では両側の肺全体に肺炎像が認められるようになり、呼吸状態が悪くなります。

【治療】

 治療薬として、ニューモシスチス肺炎にはST合剤、サイトメガロウイルス肺炎には、ガンシクロビルがあります。内服や点滴により治療されますが、低酸素状態で薬物治療以外にも酸素投与や、重症になると人工呼吸器管理が必要になることもあります。また重症度に応じてステロイド薬を使用することもあります。

資料1 ニューモシスチス肺炎の胸部エックス線

資料2 ニューモシスチス肺炎の胸部CT

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