[呼吸器Q&A]
胸部エックス線写真で異常があり、胸膜が癒着している・厚くなっている、と言われました。
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どういうことなのでしょうか?
このコーナーをご覧になられている方の多くが病院を受診し、健康診断などで撮影した胸部エックス線写真について上記の異常が疑われたのだと思います。
まずご理解頂きたいのは、実際には胸膜(肺の周りを覆う非常に薄い膜)には何も異常がなくても、「胸膜が癒着している」「胸膜が厚くなっている」、あるいは「胸水(肺の周りにある液体、正常では非常に少量)がたまっている」と言われることがあるということです。その理由は、実際には健康であってもエックス線写真を撮るとそのように見える場合や、胸の中の脂肪などのために実際には病気ではないのにそのように見える場合、あるいは肺気腫などの肺の病気のために上記のように見える場合など、いろいろ考えられます。従って、本当に胸膜が癒着している、厚くなっているなどの異常は胸部エックス線写真だけでは判断できない場合もあります。また胸水がたまっていても「胸膜が厚くなっている」と判断されたり、逆に胸膜が厚くなっていても、「胸水がたまっている」と判断されたりする場合もあります。
一方、胸部CTでは胸部エックス線写真よりも正確に胸膜が癒着している、厚くなっている等の異常があるかどうかが判りやすくなります。
どういうことが考えられるのでしょうか?
ここでは、実際に胸膜が癒着したり、厚くなったりしている場合のお話をします。あまり心配しなくてよいか、精密検査を受けた方がよいかなどを判断するために自覚症状があるかどうかが大切なので、自覚症状がない場合と自覚症状がある場合に分けてお話しします。
- 自覚症状がない場合
よく経験するのは、以前の胸膜の炎症(胸膜炎など)の結果、胸膜が癒着したり、厚くなったりしたものです。胸部エックス線写真で見つかった胸膜に関する異常の多くがこれに該当します。特に肺尖(肺の一番上)では、このような所見が見られることがしばしばあります。以前に結核性胸膜炎(「ろくまく」と呼ばれることもあります)や膿胸などに罹ったことがある人は、その時の「傷跡」がこのような異常として残ることがあります。また、自分では気づかないうちに胸膜炎など病気に罹り、治ってしまって「傷跡」だけが残っていることもあります。このような「傷跡」の多くは心配する必要がありません。この心配要らない「傷跡」と判断する手がかりとして、以前から同じような異常が認められ、数年経っても変化しないことが挙げられます。
一方、自覚症状がなくても新に出現した異常や、はじめて見つかった異常、あるいは以前から認めている異常が変化している場合には注意が必要で、一度は精密検査を受けるべきです。また、自覚症状はなく、以前から認める異常であってもアスベスト曝露のある人で、これまで一度も精密検査を受けてない人は医療機関を受診し、胸部CTなどの精密検査を受けることをお勧めします。 - 自覚症状がある場合
自覚症状としては胸の痛みや違和感が多いと思います。これらの症状がある場合には活動性のある病気の心配が必要です。胸膜炎などの炎症のみならず、がんや胸膜中皮腫などの悪性の病気も同じような自覚症状を伴うことがあります。このように自覚症状がある場合には精密検査をお勧めします。
どうすればよいのでしょうか?
上に述べた心配要らない「傷跡」の場合を除き、かかりつけ医その他の医療機関に相談されることをお勧めします。実際に受診される場合、今までに受けた胸部エックス線写真や胸部CTのコピーや履歴(受診した医療機関や受けた健康診断の年と場所など)がわかれば大いに役立ちます。































