Last Update:2017年2月3日

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呼吸器Q&A

Q23

胸部エックス線画像で異常があり、胸膜が癒着している・厚くなっている、と言われました

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胸膜が癒着している・厚くなっているとはどういうことなのでしょうか?

 胸膜とは、肺の表面を直接覆う臓側胸膜(肺胸膜)と胸壁の内側(胸腔)を覆う壁側胸膜とに分けられます。炎症によってこの2枚の胸膜の間に胸水が貯まり、自然に治ったあとや、抗菌薬などの治療によって改善するとともに硬くなり、胸膜の癒着や肥厚が起こるとされています。とくに、肺野一番上の部分(肺尖部)に見られることが多いのですが、胸部エックス線画像では実際に異常がなくても、胸膜が肥厚した様にみえる場合があります。分かりにくい場合や、目立つ場合には肺結核や、悪性の場合もあるため、胸部CTを撮影して、胸膜が癒着しているか厚くなっているのかを確認します。

実際胸膜が癒着している・厚くなっている場合にどういうことが考えられるでしょうか?

 過去に胸膜の炎症を起こしたことがあると、傷跡として胸膜が癒着したり、厚くなったりすることが最も多くみられます。以前の胸部エックス線画像でも指摘されていて変化が無い場合には、陳旧性(古いもの)と判断され、多くは精密検査の必要はなく経過を見るだけで心配はありません。とくに結核性胸膜炎や膿胸などにかかったことのある人が、傷跡として残ることがありますが、自分では気がつかないうちに病気にかかっていることもあります。しかし、以前の胸部エックス線画像と比較して、新たに出現してきた場合や、以前から認めている陰影が変化してきている場合には、一度専門施設を受診して、胸部CTなどの精査をした方がいいと思われます。また、以前から認める異常があっても、建築業や車両修理などにたずさわったことがあり、アスベスト曝露歴のある人は医療機関を受診して、胸部CTなどの精査をすることをお勧めします。
 また、胸痛、発熱、咳などの自覚症状がある場合には、胸膜炎になっている可能性がありますので、すぐに呼吸器の専門施設を受診して精査をすることをお勧めします。

胸膜が癒着している・厚くなっていると判断された場合どうすればいいでしょうか?

 古い傷跡(陳旧性)と判断された場合には、そのままみていても心配はいりません。しかし、以前にはなかった新たな陰影や以前と比較して肥厚の程度が増悪してきている場合、自覚症状を伴うような胸膜肥厚を認めた場合には専門施設を受診して下さい。胸部CTを行い、胸水がたまっていれば、胸水を採取して精密検査をする必要があります。細菌培養や癌の検査(細胞診)を行ないます。診断がつかない場合は、肥厚した胸膜の組織を生検するか、入院して胸腔鏡にて組織の生検を行い、細菌培養や悪性所見がないかどうか組織検査を行うことになります。

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