Last Update:2017年2月3日

呼吸器Q&A一覧へ戻る

呼吸器Q&A

Q14

呼吸が速くなります。過換気だと言われました

印刷版

はじめに

 換気とは、呼吸運動によって空気を肺胞へと運ぶ働きのことです。呼吸は、無意識な状況で規則正しく1分間に約12から20回行われています。呼吸が速いとは、1分間に25回以上行われる状況で、「頻呼吸」と言います。「過呼吸」とは、呼吸回数に変化はないが、呼吸の深さが増加することを言います(通常、呼吸回数も多くなると考えられています)。健康な人は、正常な状態でも状況に応じて呼吸が速くなったり、深くなったりします。例えば、運動や肉体労働により、より多くの酸素を必要とする場合には、呼吸回数が多くなり、より深い呼吸を行います。また、熱などがあったりしても呼吸は速くなります。

過換気症候群とは

 肺や心臓の検査を行っても異常が認められず、何も認めないにもかかわらず発作的に息苦しくなって呼吸が速くなるような状態をきたすことがあります。このことを過換気と呼びます。現代社会では、周囲の人との関係やストレスの多い学校生活、労働環境などにより過度の精神的緊張を強いられています。これらの状態を、自分自身で解決できなくなりパニック状態を起こすことがあります。この状態が続くと、呼吸がますます苦しくなり、必要以上に換気をしてしまうことで、体の酸素が過剰に増えてしまい、二酸化炭素が減り過ぎてしまいます。ヒトの血液はちょうど中性に保たれていますが、二酸化炭素が減ることで急激に血液がアルカリ性に傾き、体内の細胞が正常に働くために必要な電解質のバランスが崩れることで、しびれや意識障害などの症状を来たすことがあります。このような状態を過換気症候群と呼び、とくに几帳面、神経質な若い世代多く起こります。

どうのように対応すればよいですか

 まずは、なぜ呼吸が速くなっているかを見極める必要があります。そのためには、病院や診療所で、詳しい問診(同じようなことが以前にあったか、精神的なストレスがあるかなどの確認)や検査(胸のレントゲン、心電図や採血、動脈血ガス分析(動脈から血液を採取し、酸素と二酸化炭素の量を確認する))を行います。

治療はどのようにするのですか

 過換気症候群と診断されれば、発作時と非発作時の二つの対応に分けられます。
①発作時の治療
 比較的軽い場合は、ゆっくり話しかけて安心させ、適切な呼吸法を誘導します。ゆっくりと小さな呼吸を行い、可能であれば呼気を5秒以上かけて行うように指示します。以前は、ペーパーバック法(紙袋などを使用して自分が呼気した空気を再度呼吸すること)が応急処置としてされていました。しかし、現在では行わないので注意してください。症状がひどい場合や改善しない場合は、気持ちを落ち着かせるようなお薬を使用します。
②非発作時の治療
 発作時の治療とは異なり、過換気発作の誘因となっている精神的な過度の緊張状態やストレスがないかを話し合うことも治療のひとつになります。明らかに精神心理的な問題が誘因である場合は、精神科や心療内科への受診をお勧めしています。その後の診察やカウンセリングの結果で気持ちを落ち着かせるようなお薬の必要性が検討されます。

ページの先頭へ